■サバニについて
サバニとは、沖縄の漁労用の舟のことで、いくつもある琉球型船の代表的な舟として知られています。
その美しい曲線は、美女のバスト、ウエスト、ヒップに喩えられていて、造船界の傑作として多くの人々を魅了してきました。
昔の海人(ウミンチュ)達は、このサバニで、パドリングとセーリングを繰り返し、琉球列島を自由に航海していました。嵐に遭遇した際は、サバニを転覆させ、船体の下に潜り込んで嵐がすぎるのを待ったと言われています。遠くはハワイ近海から東南アジアまで航海し、また朝鮮にまで造船技術の指導に出かけたと言う記述もあります。
そう、琉球王朝時代に貿易立国として成り立っていた沖縄には、世界に誇るべき造船文化が存在していたのです。
サバニの構造と形状は、速さを追求する近代船にも取り入れられ、オリンピック用のボートを設計する際のたたき台にもなったとも言われています。
その細長い船体は、速度向上を実現し、外板を外曲させることで横からのうねりに対しても安定性を保ちます。また、船底は沖縄特有のリーフの多い浅瀬でも航行しやすいよう平坦に設計されており、反り上がった船首部分は、波を船底に引き込むことで波乗りを可能にし、水の抵抗も同時に軽減させます。
造船の際は、鉄釘は一切使用せず、板と板をつなぎ合わせるフンドゥと木釘を使って造り上げます。 また、完成後は、船体をカラカラに乾かし、その後、鮫の油を塗って、耐候・耐水性を向上させます。 また、中国式のラグ・セールも備えていて、帆を豚の血で染め上げることで風をつかまえやすい工夫がなされています。
沖縄県座間味島・「慶良間海洋文化館」内の資料より抜粋